ダグラス・ヘンクが正にまとめあげようとしていたのは、彼の組織プラン、今やもう彼の組織にとって十分ではないと彼が気づき始めた、彼の組織の幅広い計画でした。彼は言います。「今になって初めて、私が何ページにも渡ってまとめあげたこの組織の総合的計画には、ある意味実用性がないことに気づきました。ここに示されているのは、過去に他の人々に必要とされてきた事項や、今後私達がしようとしている組織の変化や雇おうとしている人々など、地域の拠点を立ち上げるための実に一般的な方向性が述べられているに過ぎないのです。もし私達が現状にとどまっているならば、恐らくこの計画でも十分な方向性にはなるでしょう。しかし、将来的に私達が何をして、何をしていかないのかに関しては、事実上この計画では全く十分ではありません。」
そしてヘンクが、以前の会社で関わりのあった国際的コンサルタント会社、ストラテジック・シンキンググループ(STG)の助けを求めたのはその時でした。「過去の経験から、この計画と組織の再建を行うのは今だと感じたのです。」とヘンクは言います。「ジム(ストラテジック・シンキンググループ会長のジェームス・ヘイバーン)の仕事の中核をなすストラテジック・アンカーと、彼の行う競争力分析の手法を私はよく理解していました。彼個人と話し合う時間が重要なのです。そしてそれは、どこかの巨大コンサルティング会社の仕事とは全く異なるものです。過去に行った戦略プロジェクトや評価において、そのような会社からやって来た、明るく賢い卒業したばかりの人々と接した経験を私はどれだけもっているかしれません。そこでジムです。私は彼の長年の実績を知っています。彼は単にプロセスに関わるだけでなく、個人的にその取り組みの一部となり、それこそが重要なことなのです。加えて率直に言えば、そのコストパフォーマンスは素晴らしいものになります。」
ストラテジック・シンキンググループとの取り組みによってサンライフ・アジアは、具体的な計画と達すべき目標を練り上げました。「ジムがプロセスの結果として残す書類は、人々がこれから時々参照するだけのようなものではありません。」ヘンクは言います。「彼が残すのは、今後ビジネスを行う上で私達が追求すべき非常に具体的で特定されたプロジェクトプランです。1ヵ月後に再び私達は2日間に渡って話し合いを持ち、進捗状況を分析します。そしてこれは重要な戦略のリフレッシュにもなるのです。そして、ええ、勿論その過程では対処していかなければならない課題も生まれます。しかし、それも私達が進む戦略であり、乗り越えなければならない過程の一つです。私達が投資するのは、その“戦略を達成するため”なのですから。」
ヘンクはこの戦略開発プロセスに、5人の各国マネージャー、そして5人の組織幹部の10人を参加させました。「驚いたことに、参加者のアイデアの中から様々な組織の強みや創造力が生まれたのです。」ヘンクは言います。「そのような貢献がどこからあがってくるのか、私は予測もできませんでした。その意味でも、経営リーダーと各地域のマネージャー、オペレーションリーダー達が共にセッションに参加したことは、非常に有益で意義深いことでした。それぞれの環境や責任に基づいて、異なった視点の様々な考えを融合することができたのですから。」 プロセスの過程でヘンクのチームは、組織において何が重要でそうでないのか、明確な絵を描くことができました。ヘンクは言います。「このプロセスにおいては又、議論を円滑にナビゲートする人の存在が重要です。特に、参加者が様々な文化やバックグランド、年齢、能力や性別である場合、皆の関心をプロセスへ引きつけるのは容易なことではありません。全ての人々がプロセスに主体的に参加し協調しあうことから得られる利益は、本当に大きなものですよ。」
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