多くの財務部門の専門家にとって、“戦略の構築”は彼らの職務内容に通常含まれているものではありません。しかし、レーン・クロフォード社のトップエグゼクティブ達は、組織の戦略をCEO室から取り出し、その戦略の実行に責任を持つ人々が構築に取り組むというユニークなプログラムに参加しました。
このプログラムは国際的なコンサルタント会社、ストラテジック・シンキンググループ(STG)によって行われました。20人のトップエグゼクティブは、レーン・クロフォード社の社長と共に、彼らの小売業としての将来像を描きだす2年に渡るプロセスに参加しました。実際のところ、レーン・クロフォードがSTGとの取り組みを決めたのは、非常に主体的かつ先を読んだものでした。「それは、患者として医者に診てもらうようなものでは全くありませんでした。」参加者の1人は言います。事実、当時彼らの既存の経営手法には何の問題もありませんでした。しかし、同社の社長、バルビナ・ウォンは彼らの組織を更に進化させる方法を見つけ出すことに興味があったのです。
結果的に、この取り組みによって得られた利益は、将来像を描くことにはとどまりませんでした。「私達はとても前向きな成果を得ました。」1人の参加者の言葉です。「このプロセスに参加し、皆で議論をして戦略を構築するのは素晴らしい機会だと誰もが思っています。これは、組織という船の舵取りのようなものでしょう。」「事実このプロセスには、社長や副社長等4,5人のトップレベルだけではなく、各部門のシニアレベルの社員も大勢関わりました。その為に、参加しなかった全ての社員にとってもこの戦略は伝わりやすいと思うのです。各部門から複数のリーダーが戦略構築のプロセスに参加すれば、その理解度は十分深いものになるはずですから。」
このプロセスは社員の組織への求心力と定着率を高めました。事実、戦略構築への参加は「組織への帰属心の強化」にもつながったのです。彼らは、「社員に“これをしなさい”と指示をするだけではありません。それはシニアマネジメントからの指示であり、社員は会社自体の方向性に関して、自分の意見を述べる素晴らしい機会を与えられたのです。」
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