プルデンシャル社のマネージング・ダイレクター、タッカー氏は、同社の新しいCEOから戦略的企業のマインド設定を学び、組織に迅速な変化をもたらすような戦略的思考プロセスを構築しようとしていました。「私達は、外部から呼んだ人々に自分達のビジネス運営について指示されたくなかったのです。我が社には才能ある人々が沢山います。中には、地域のこの分野で20年にも渡って経験を積み、このビジネスについて知り尽くした人達もいます。ですから、外部の会社の人々に私達の組織のビジネスについて指図を受けることなど必要なかったのです。」タッカー氏は言います。
「私達が必要だったのは、戦略的に思考し、共通性を生み出し、そして国の枠組みを超えて組織を団結させる戦略プロセスの構築だったのです。」 しかしその任務は、単に組織の再構築にとどまらず、特に競争の激しい保険業界において、彼らの組織への忠誠心や企業文化にも大きな転換をもたらすものでした。
「私達が直面していた課題は、多くの地域ビジネス拠点が、彼ら自身の国や地域のニーズにのみフォーカスしていることでした。そこにはグループとしての基準も、共通の言語も、価値の共有もなかったのです。」
「全ての人が自分達の戦略を突き進み、地域間の交流も相乗効果も皆無だったのです。」とタッカー氏は振り返ります。
グループCEOの“トップダウン型”アプローチを導入し、香港、シンガポール、そしてマレーシアの各地域ダイレクターと主要リーダーを集めたタッカー氏は、ストラテジック・シンキンググループに助けを求めました。そして、1994年にスタートした彼らのこの戦略開発プロセスには、ほぼ50人もの人々が関わったのです。
「全ての国のマネージャー達が将来のビジョンと戦略の構築に関わりました。それは現在の地域全体の戦略目標となっています。全ての地域のオペレーション上で、私達が全体として進むべき境界線や条件等が理解されています。」とタッカー氏は言います。練り上げられた基礎的な戦略は、現在も定期的に見直され、実践されています。この新しい戦略プランを開始した初年度に、プルデンシャルコーポレーション・アジアは新たに4カ国にそのビジネスを拡大し、利益を2倍に、そして年間の保険販売を前年比40%増とし、2億4千900万ポンドの粗利益を達成しています。
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